お前ラグビー観るキャラじゃなくない?って話

ラグビーワールドカップが終わった。昨日も書いたけど南アフリカが優勝するとは思っていなかった。プール戦ではニュージーランドに負けていたし。

ニュージーが大本命で、準決勝でイングランドがニュージーを対策しまくって倒してからはイングが優勝すると思っていた。

 もしかすると南アは決勝戦でのニュージーに備えて(そうはならなかったが)、プールではちょっと様子見して2位通過を敢えて狙ったのかもしれない。だとすればクレバーだ。

 

といっても個人的に印象に残ったのは、やっぱり日本×スコットランド戦だ。2015年の南アフリカ戦と予選プールのアイルランド戦は、まだ相手が本気を出していない感があった。つまりスコット戦で初めて、日本は本気のtier1に勝ったのだ。キレイなトライも何本も出た。あとはイングランド×ニュージーランド戦の対ハカ陣形、あれは何度見てもアガる。

 

 

ツイッターをフォローしてくれてる方は知っているように、僕はそれほどスポーツが好きってわけでもない。サッカーワールドカップを観ることを除けば、応援してるチームは競技を問わずないし、どのプロ野球チームがセかパかもわからない。自分でも運動はほとんどしない。

それでも今回はけっこう盛り上がったし、一回はパブに観戦に行きさえした。こういうことをしたのには、こんな理由があると思う。

 

 

1.余計な要素を含んでなかったこと。

例として駅伝を挙げてみよう。脈々と受け継がれる伝統のタスキ、仲間の思いをつないで走る、病気の少年の思いに応えるため、云々。

僕は人間ドラマが苦手である。プラスかマイナスかを問わず、感情を共有するのが得意ではないのだ。個人の好みは措いても、人間ドラマはスポーツにおいては不要な要素だと思っている。

精神論も苦手だ。駅伝とか高校野球は精神論にあまりにも強く取りつかれていて、元野球選手の老害がワイドショーのコメンテーターなんかやったりする。一方ラグビーは、昭和だけでなく平成もパスして、令和になるまでマイナー競技。そのうえ、外国人選手が半分を占める。大和魂だの気合と根性だのと無縁で日本でのキャリアをスタートできるのだ。

今回のラグビーは、多くの人が選手もルールも知らない状態で始まった。それだけに、選手たちがどんな訓練を積んで、どんな能力を持っているかとか、ラグビーはこれこれこんな競技だ、というところが中心に報道されたし、我々もそこに集中し、学んで楽しむことができた。

 

2.ラグビーが「みんなのもの」になったこと。

野球とかサッカーとかでウザいのは、部活でやってた人々が我が物顔で闊歩し、ニワカを排除しようとすることだ。体育で野球部・サッカー部に苦い思い出がある人も多いだろう。サッカー部に至ってはウケてるのは自分たちだけなのに自分を超面白いと思ってるクソ大学生のノリそのままのエセ陽キャ集団である。(偏見&ヒガミ)

ラグビーは経験者が少ないし、それだけニワカでも歓迎してくれる地盤があった気がする。「ニワカだけど応援してます!」と公言する人が多かったのもそういう理由だろう。

 

3.単純にスポーツとしておもしろかったこと。

ラグビーの基本的なルールは簡単である。チーム競技の面が強いぶんスター選手は出にくいように思われるが、それが逆に知識が少なくても楽しめる要因にもなった。

試合運びを全体に見ると、ある意味チェスっぽい感じもする。パスを受けるのにちょうどいい位置に移動する。一人がオトリになってボールは別の場所へ、なんてこともある。しかも誰か一人の指示で動かすのではなく、選手たち自身で考えてやるのがスゴい。言葉のないコミュニケーションである。

あとは屈強な男がバンバンぶつかるのが単純におもしろい。戦ってる人たちをみてウオ~ッ!てなるのはもう本能的な何かのような気がする。

 

4.いろんな文化をリスペクトし、紳士的だったこと。

「紳士的」はラグビーのキーワードの一つだ。サッカーでは相手選手にわざとケガをさせようとするような行為すら見られるし、地面をゴロゴロしてペナルティを訴えてばかりの選手もいる。

一方ラグビーの試合は粛々と進み、終われば健闘を称えあう。いろんな文化に触れる機会とそれを受け入れる態度がある。日本でも外国人選手が違和感なく迎えられ、ヘンなナショナリズムもほぼなかった。

 

1~4を書いてて思った。今回の大会は、純粋にスポーツだったからこんなに盛り上がったのかもしれない。一般にスポーツをそんなに好きになれない僕も、スポーツの周りにへばりついてるお涙頂戴とかマウンティングとか政治とかカネとかを剥がせばわりと楽しめるのかもしれないね。

もちろん俺はニワカなので、今後もラグビーを見守るかと言われれば、それは保障のかぎりではない。普段から応援するところまでは行かなそう。ただ、日本でラグビーが一般的になって、決勝トーナメントの常連になればおもしろいとは思う。

 

あと(これはオードリー若林さんなんかも言ってたけど)斜に構えておもしろいことを逃すのはもったいないなと思った。流行してるから乗らない、というのは、流行してるから乗る、という行動原理と大差ない。

「キャラじゃない」ことをやるのは、新しいことに出会うチャンスでもある。そもそも、全人類を「スポーツを見るキャラ」「見ないキャラ」の2種類に分けられるという考え方こそ偏狭だし、我々が「見るキャラ」に分類した人々はたぶんそういう分類自体していない。我々が勝手に分類してスネてるのだ。

ましてや他人にキャラと行動が合ってるかジャッジされる機会なんてまずない。全員にキャラを与えてジャッジしあうという、高校のクラスみたいな狭くてしょうもないコミュニティの原理から抜け出せずに、多くの人が苦しんでいるのだ。

ラグビーワールドカップに関しては、ロシアに勝ったあたりから見てたので、一応流行に先んじた、というエクスキューズはある。でも、同じアホなら踊らにゃソンソン、の精神で素直に流行に乗っかってみるのも、たまにはいいかもしれない。