秋が近いので『星の王子さま』をオススメする

お久しぶりです。もう秋ですね。コロナのせいでどうも季節感がないですが。せめてもの「読書の秋」感として、好きな本のことでも書いてみようと思う。

 

 

子どもの頃に読んだ絵本は、けっこう鮮明に覚えていたりする。それで読み返してみると、まだまだ新しい発見があったりする。

僕が最初に『星の王子さま』を読んだのは子どもの頃だった(何歳だったかは覚えてない)が、正直あまり印象には残らなかった。

ある程度大人になってからまた読んで、はじめて意味が分かった気がしたのだった。

 

星の王子さま』は、実は大人にこそ刺さる絵本だと思う。

全体が寓話っぽく、教訓がちりばめられている。そして名ゼリフがてんこ盛りで、会話の中で披露すれば大いにドヤれる(?)。

今から本を買うなら、『フランス語で読む 星の王子さま』は2言語で読めるので特にオススメ。

 

 

パッと見、王子さまが星をめぐるシーン(前半)と、王子さまが地球に来てからのシーン(後半)は関連性がないように思える。

しかし、読み進めるにつれて、全体を貫く軸が見えてくる。

 

このお話の中では、「おとな」がDISられるシーンが何回も出てくる。その「おとな」がまさに現代人の姿を描いているようで結構ウッとなる。

前半に出てくるのは、価値のないことにこだわって時間を浪費している「おとな」の姿である。これらが反面教師となって、物語全体のメッセージを浮かび上がらせる。後半は「ぼく」と王子さま、そしてキツネの会話を通して、メッセージがより明確に表現される。

 

全体を通して語られるのは、王子さまが自分の惑星に残してきたバラのことだ(実は王子さまは宇宙人だ)。王子さまは地球のバラ園を見て、自分のバラがありふれたものだったと気づき、自分は特別なものを何も持ってないのか、と悲しみに暮れる。

しかし、王子さまが自分のバラを特別だと思う理由を、キツネが教えてくれるのである。ここが一番重要なシーンだと個人的には思っている。

 

 

 

サラッと流しがちだけど僕が好きなエピソードとして、23章のセールスマンの話がある。

このセールスマンが売っている薬は、毎週1回飲めば水を飲む必要がなくなり、週に53分節約できるという。それを聞く王子さまの答えがよい。

「リニアが通れば、名古屋まで50分早く行けます!」というニュースを見て、なんかこのエピソードが思い浮かんでしまった…(そういえば、22章も似た内容だった)

 

 

世の中にいる膨大な人数の中で、ひとりを愛したりするのはなぜだろうか?そういう疑問に対するひとつの答えが見える気がする。

童話といいながらけっこう哲学的・抽象的なテーマで、フランス語文学っぽいといえば、ぽいかもしれない。よかったらどうぞ。