ホテルに泊まりたい

たまにホテルに泊まりたい衝動に駆られる。ホテルで何かしたいわけではない。行きたい旅行先があるわけでもない。でもホテルに泊まりたい。

ホテルはホテルでも、ビジネスホテルではない。別に高級なものでもなくてよい。どこの観光地にもある量産型のホテルに泊まりたい。

 

部屋に入ったらまず景色を確認したい。窓際の謎空間の椅子に座って、下に見える大浴場のボイラーと遠くの鉄道線路を眺めたい。「意外と部屋広いね」って言いたい。

受話器の横に置いてある煎茶を入れて飲みたい。ついでに「売店で売ってます」と書いてあるお饅頭を食べて「お土産これでいっか」と思いたい。部屋のキーについているプラスチックの角柱を手で転がしたい。

一息ついたら大浴場に行って、これまた売店で売っている石鹸で体を洗いたい。その後浴槽に浸かるものの熱すぎて、お湯の出口から離れて端っこに移動したい。風呂を出たら浴衣に着替えて「始まったな」と思いたい。

晩御飯はバイキングで地元で作っているというよく知らない漬物とか豆を食べたい。そのあと結局お寿司とかをリピートして、「バイキングって意外と食べられないんだよね」と言いたい。

部屋に帰ったら布団が敷かれていて、布団じゃんけんをしてその後しばらくトランプをしたい。寝る前にもう一回大浴場に行って、帰りにゲームコーナーに寄りたい。バージョンの古い太鼓の達人しかないことを確認してそれを部屋で報告したい。場合によっては卓球をしてもいい。カラオケルーム使う人いるのかな?って思いたい。

朝食はカレーとお茶漬けをとって「変な取り方だなー」って言いたい。ちなみにそのお茶漬けにも地元の謎漬物をのせたい。

帰りはとりあえず売店に寄って「どこの売店も品揃え同じだな〜」って言いたい。そして無難なクッキーとかを親戚と友達に買ってぼんやり帰りたい。